第三次世界大戦。

現在、うちのスクールで戦争が起きている。

 

ミサイルのボタンこそ押す国はまだ出て来ていないが、どの国もピリピリと緊張感で張り詰めているのが手に取るようにわかる。

 

きっかけは、アメリカがうちのスクールに友好条約を持ちかけて来たことだった。

 

元東大生である社長は、なんの疑いも相談もせずに彼との条約を結んだ。

彼は経験も積んでいて、何よりネイティブのアメリカ人だという事で初日から凄い勢いで子どもたちをまくしあげてきた。

 

それを見たフィリピンが、何ということをするんだ!全く見るに耐えない。彼を即刻辞めさせるべきだ、と主張してきたのだ。

 

両者どちらも極端なのだ。

みんなの顔色を伺い、個性なんて持ち合わせてない生粋の日本人の私からしたら、もう少し様子を見たらどうだろう。の一言に尽きる。

 

それについて、元東大生である社長がフィリピンから話を聞いたため、フィリピンに肩入れをしてアメリカとの条約を打ち切りにすると言い出した。

 

とは言え、アメリカが黙っているはずもなく、話が違う!と更にデモを引き連れ(ているような勢いで)デモ活動を行い、やはりアメリカとの条約は継続する運びとなったのだ。

 

その後、アメリカはフィリピンに嫌われていることを社長の口から聞き、両国の冷戦は始まった。

 

そこに参入してきたのが、ロシアだ。

ロシアはアメリカと別の場所で会っていたのだが、アメリカが持ち出してきた『デートに行きませんか条約』を見事シベリアの寒さとともに断っていた。

 

ロシア語の辞書の中に『愛想』と言う言葉がないように、彼女にもそれはない。

それに加えて、条約内容が気に入らなかったロシアは、あくまでも外交としてアメリカにとにかく冷たく接した。

その冷酷卑劣(あくまでもアメリカにとって)な態度に怒りを覚えたのがアメリカだ。

元々プライドが高く自分がネイティブのアメリカ人と言うことが日本のインターナショナル界に置いて価値が高いと自己評価している彼は、英語に至ってはネイティブではないフィリピンとロシアをとにかく叩いた。

 

教え方が違う。

発音が悪くて分からない。

あのロシアの態度は何だ。

 

ロシアとフィリピンに聞こえるように大きな声で、小心者の日本人に伝えてくる。

 

それを聞いてもちろん、気分を害したのはフィリピンとロシアである。

 

そこで、

フィリピンとロシアは友好条約を結んだ。

そして共にアメリカと戦う道を選んだのだ。

 

それが現在勃発している第三次世界大戦の始まりである。

 

アメリカ

フィリピン・ロシア

 

これは現在の外交がもしかしたらこんな縮図になっているのではないかと思わせるほどの緊張感だ。

 

 

『どっちも自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。』

かの有名な未来から来た猫型ロボット、ドラえもんが言っていたように戦争はこうして起こる。

 

それに巻き込まれるのはいつだって、個性を持たない平和主義を戦後教え込まれ続けた日本人なのである。